嶺北の無垢材で作り上げた、木の香りに満たされる家。
まるで森林浴でもしているように、木の香りに包まれる中川邸。国産の材木をベースに、壁は和紙や薩摩中霧島壁という火山灰を含む塗り壁など、自然素材をふんだんに使っています。
まず、玄関に入ると落ち着いた土間と靴箱や建具に使われている木のコントラストに目を奪われます。日本らしい情緒を醸し出すのは、格子状の建具や、木の風情を生かした一枚板の天板のほか、明かりとりの丸い窓。まるで満月のようなイメージで中川邸の導入にぴったりです。家の第一印象を決める玄関はなるべく広くとることで、雄大でゆとりのある印象を与えます。さらに玄関奥には広い物置スペースを確保。冬はスノーボード、夏はサーフィン、ときどき釣りというご主人の趣味の道具が詰まっています。「実は玄関の広さにこだわったもうひとつの理由は、主人がボードのお手入れをするためなんですよ」と奥さまはこっそり教えてくれました。
また、夫婦共働きのため、家事動線にもこだわりました。とくにキッチンと脱衣所は、エリアを統一して最小限の動線で済むように間取りが考えられています。「バタバタする朝はとくに、この動線の短さに助けられています」と奥さまも大喜び。さらに、間取りを見ると中川邸には廊下がありません。廊下を省いてできた空間は収納スペースとして活用しているおかげで、コンパクトなのに、狭さを感じない家に仕上がったのです。
「1階の床に寝転がって、吹き抜けの2階の窓を見上げることが多いですね」というご主人の真似をしてみると、階段から2階の手すりや天井などに使われた嶺北の木々が窓からの光を浴びて美しいのです。寝そべる床からはヒノキの香り。あぁ、幸せ。