やっぱり「和」のテイストが落ち着く。リビングに障子のある家。
切り妻屋根に、コテ跡をざっくりと残した「そとん壁」の表情が美しいM邸。4月の完成後、庭に植栽した木々も瑞々しく成長し、しっとりとした和の風情を添えています。
出迎えてくれたのは、もうすぐ2歳になる晴子ちゃんと奥さま。引き戸式の玄関を入ると奥に長い土間、その突き当りにはゆったりとした収納があります。釣りに日曜大工、アクアリウムと、多趣味なご主人の希望で、出入りがラクな間取りになりました。
ご夫妻ともに好みがハッキリしているMさん。「そこがヒロセ設計さんとぴったり合ったんです。もちろん予算もあるので、全体的なバランスが決め手になりました」と奥さま。一番のお気に入りは、リビングに使用した「吉村障子」。外枠と桟が同じ寸法なので、閉まっているときに一枚に見えるのが特徴。無垢の床とも相性がよく、スッキリと落ち着いた空間になりました。キッチンは奥さまの要望で、L字型を選択。収納の棚や引き出しはご主人のお手製で、どこに何があるのか一目瞭然。共働きのご夫妻どちらが立っても絵になりそうです。
洗面台をカスタマイズしたり、晴子ちゃんのおもちゃ箱を作ったり。ご主の腕はすでに趣味の域を超えているよう。天井高の建具やゆるやかな曲線を描く階段の手すり、ライトの位置など細部まで一つとつこだわって選んだM邸は統一感があり、家づくりのプロセスを楽しんでいる様子が随所に感じられました。
2階は主寝室と子ども部屋。そして壁一面に作った本棚には、CDや蔵書のほか、家族の写真がライブラリーのように並んでいます。「子どもはできたらもうひとり欲しいな」と、はにかむ奥さま。新しい住まいで、晴子ちゃんもお気に入りのクマさんと、終始ご機嫌に遊んでいました。